2015年8月8日

L'incidente grave

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大事故



上の写真は、昨日の公演の舞台です。演目はトゥーランドット。2回目の公演でした。この公演中に、あってはならない事故が起こってしまいました。


上下する台座装置(エレベーターの様なものです)が、昇っていく最中に下まで落ちてしまい、その中の玉座に座って出待ちしていた歌手が、落ちたはずみで背中から舞台に打ち付けられ、脊椎を折るという大事故が起こってしまったのです。
(その後、背中から落ちたのではなく、台座が垂直に落ちた衝撃が骨折の直接の原因と分かりました)


3幕のデュエットも終わり、あと10分ほどでオペラが終わると言うときでした。オケピットにいた私には、何か大きな箱のようなものが上から落ちた様な音が聞こえたのと、その後すぐに裏のスタッフ数人の叫び声が聞こえたのを覚えています。客席も同時にざわつきましたが、パニックのようではなく、舞台が見えていたマエストロも、指揮棒を振り続けたので、演奏はそれでも続けられ公演を終えたのでした。


終演後、舞台袖にいた同僚に聞いて初めてこの恐ろしい事故の事を聞きました。驚きとショックで起こった事の重さに絶句。何も言葉が出てきませんでした。どうして事故が起こったのか、まだ詳しい原因は断定されておらず、発表もされていません。今日は別の演目が予定されていますが、それは予定通り行われるようです。


それにしても。
こんな事故は、絶対にあってはならない。それは、歴史あるフェスティバルのスタッフもよくわかっているはずです。歌手は、装置とそれを組み立て、操作する人を信じて舞台に上がるしかないのだから。そして、連日の猛暑の中、装置を組み立てる大道具の人達の仕事の環境とその仕事ぶりは一体どうだったのだろう?本当に辛い事故です。


劇場で何度か顔を見た事があるな、という位の面識しかなかった彼ですが、少しでも早い傷の完治と舞台への復帰を心から祈ります。
(幸いにも、脊椎が横にずれたりはしていなかったので、手足を動かす事に支障なく、内臓の働きにも異常がないことが、これも後から分かりました。良かったです)



今日は、重たい話になってしまってごめんなさい。次回は、楽しいお話ができますように。
では、また!




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