2014年7月24日

Maestro della luce

照明のマエストロ


直訳すれば、こうなります。
イタリアでは、楽譜が読めて演奏できる人、照明、舞台等のキュー出しができる人は、全てマエストロと呼ばれます。ですからこの国では、私もマエストロなんです(笑)



今日は、ボエームの公演のための最終の稽古でした。本番と同じ状態でする最後の稽古は、ゲネプロと呼ばれています。
本番中に私が居る場所からは、舞台がこんな風に見えます。後ろに広がっているのがトッレ湖です。いい眺めでしょ(^_^)



日本でも数回、照明キューの仕事をしたことがありますが、本当にその作り方や私の存在位置が違います。だから、より舞台が自分のものの様に感じられます。


今回のボエームの公演は、イタリアのNHKと言える RAI 局が、放送のための録画に来ていることもあって、公開のゲネプロでした。各セクションの緊張度も高く、本番さながらの稽古になりました。


私がいた照明のブースも、かなり空気が張っていました。私にとっては、今日初めて見る舞台の部分もあるうえに、動き合わせの部分も何箇所か。本番が始まると、設定と違う照明が現れたりした事もいくつかあって、大きな声が飛び交い、最初の二幕はなかなかの緊張度でした。でも、この楽しさはなんでしょうね?キューを出しながら、ずっとそんな事を考えていました。照明の面白さも分かります。そう言えば、私とアンドレアもこの仕事を通じて知り合ったのだったなぁ。そんな事も思い出して、ちょっと懐かしく感じたりもしました。


これは、今日の稽古ではありませんが、前回のオケ付き舞台稽古の三幕です。

ゲネプロが終わってから、大好きな演出家にも挨拶に行きました。次回こそ!本番の日だけど、写真を一緒に撮ってもらおう(笑)


明日は、久しぶりのお休み。
もうひとつのバタフライの譜読みです。そして、久しぶりに自分でご飯を作ろう!そんなことを考えながら、これから眠りにつきまする。


おやすみなさい。
では、また!(^_^)




2014年7月15日

La Boheme

ラ   ボエーム


今日は、ボエームの照明キューの最初のお仕事に行ってきました。イタリアでも、ピアニストが照明キューを出す場合が多いのですが、こちらでは明かりを作る時から、キュー出しもそこに同席して、作られる明かりを見ています。日本では、既に出来上がったキューシートをもらいますが、ここでは一緒に作って分かっていく感じです。


野外の劇場は、お昼間には照明は作れない。そして、日が沈んで、本当に暗くなりはじめるのは、夜9時を回ってから。歌手も本番に向けて、昼から夜の稽古に変わっていくので、照明チームは彼らの稽古が終わってからの仕事になります。


実際に、今日、照明を作る仕事が始まったのは深夜12時(笑)
こりゃ、明け方までかなーと思っていましたが、意外に早く2時過ぎには帰れました。


ご一緒した演出家は、例の大御所映画監督。それで、妙に興奮してしまってまだ眠れません(笑)
握手してくださった手は、とても暖かでした。笑顔が素敵で、私なんかの話もしっかり聞いてくださる。声も私好み。これから数日、照明の仕事は楽しみだなぁ(笑)


ということで、ちょこっとボエームの舞台の写真を(^_^)
まだ組み立て中ですが、、、。



良い舞台になるように、頑張ってきます。

では、また!(^_^)

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2014年7月12日

Laiatico

ライアーティコ


昨日、お仕事で行ってきた場所の名前です。
ピサ市の中にある、人口1400人ほどの小さな町(村かな?)です。イタリア人歌手、アンドレア・ボチェッリの生まれた場所でもあります。


プッチーニ・フェスティバルとボチェッリはご縁が深く、今回も町のお祭りのゲストとして我々が招待されたのだと思います。いつもここでは、歌手の皆さんとのお仕事が多いのですが、今日は弦楽器4人の方々とご一緒の(やっぱり!)野外コンサートでした。


一昨日、なんだか一杯書き込みがしてある譜面を受け取り、昨日、本番当日に寸法もあやふやなまま、劇場での合わせ稽古に行きました(笑)ただでさえ、合わせの時間が少ししかないのに、ビオラ奏者は譜面を家に置き忘れて大幅に遅刻してくるし、みんな探り探りの演奏だし、本番どうなることかと心配していました。野外だったので、耳が慣れるまで最初こそギクシャクしていましたが、最後は、奏者も聴衆も楽しめたんじゃないかと思います。


ボチェッリの影響も大きいのでしょう。(そう言えば、私達が楽屋として使わせて頂いたお家も、彼の事務所だとか、、、)音楽だけでなく、町のあちこちにモニュメントがあったり、前衛オブジェがあったりで、文化活動もなかなか盛んなようです。


コンサートのあった場所は町の小さな広場で、町の人やお客様のためにブッフェも用意されていました。勿論、我々奏者もお相伴にあずかりました。
夜の広場で飲んで、食べて、演奏して、楽しんで、、、まさしくイタリア!


少し写真を。
コンサートのあった広場で、まず目に入ったのがこれ。機械の馬です。部品は車やバイクでしょうかね?馬の首の辺りにハンドルがあるのが見えます?それを回すと頭が上下左右に動いていました!

舞台の上にはこんなものも。
人間の手です。これも全て金属でできていました。コンサートの間は、私のすぐ後ろに、これが置いてありました。


手の右上にあるマリア様の絵は鐘の塔のある建物に投影されたもの。お昼間の姿と夜の姿。
それぞれに良さがありますが、素敵なアイディアでしょ!




そして、フェスタが終わってからも舞台の上では、ピアノを弾く人の姿が。
これは、プログラム外の出来事ですよ(笑)



私達は、帰路につくためにこの広場を後にしましたが、きっと夜が『更けきる』まで、人々は楽しんだのでしょうね。


では、また!(^_^)

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2014年7月8日

Madama Butterfly

マダム   バタフライ



これは、今年の私達の『マダム   バタフライ』のポスターです。


今日から、劇場ではオケ練が始まり、土曜日からは、セット付きの舞台稽古。この仕事を始めてから、もう何百回と弾いているはずの蝶々さんですが、毎回、新しい発見が必ずあるのです。そして何より、そのドラマを演奏することが楽しくてたまらない(^_^)

そして。
『蝶々さん』のオペラに関わると、なんだか良いことがやってくる。大切な出逢いがあったり、思いがけない事がやってきたり、それがきっかけになって新しい世界に入ったり。いつの頃からか、そんな風に思うようになりました。今年は、どんな事と巡り会えるのだろう?楽しみです。


それから。
今年のプッチーニ  フェスティバルでは、もう一つのバタフライにも関わります。只今、絶賛譜読み中。稽古開始まで、後2週間。もう少し間際になったら、このオペラのことも書きますね。



劇場内の別の場所では、ボエームの稽古も同時に行われています。
こちらは、演出家がEttore Scola(エットレ   スコーラ)。イタリアの大御所、しかも映画監督です。私は、今までに一本だけですが、彼の映画を見ました。イタリア語の題は『La Cena(夕食)』。ローマのとあるレストランのある一晩を描いた作品。そこで特別な事件が起こるわけではないのですが、それぞれの登場人物の後ろにある生活が見えてくる映画でした。映画の終盤で使われる音楽にも、ちょっとした思い出もあったりしてとても好きな映画の一つです。その監督が演出家なんですよ。絶対一緒に写真を撮ってもらう!と決めてます(笑)


そんなこんなで、色々ありますが、
明日も沢山の譜面を抱えて、チャリンコで走ります。元気でやってます。



では、また!(^_^)


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2014年7月6日

Tanto che non ho scritto qui!

ご無沙汰しています。



ミラノでコンサートの記事から、すでに40日ほど過ぎました。


その間に何があったかと言うと、、、。
まず、新しい車が我が家にやってきました。
前と同じGOLFですが、随分とテクノロジー化されてて、最初は(実は、今も、、、)、運転歴が初期化したのか?と思われるほどドキドキでした。最初に車を何処かに擦るのが私ではありませんようにと祈るばかりです(笑)


その後、6月3日に仕事で日本へ。
沢山の方に会えました。大好きなお友達とのご飯は、どこのグループも楽しく美味しかったです。そして、凄く久しぶりに会った同級生達もいました。中学時代、大学時代の同級生で、中には何十年ぶりかでお目にかかった方もいましたが、すぐ昔のように大笑いしながらの会話になり嬉しい時間を過ごしました。
あ!勿論、仕事も愛情もってさせていただきました(笑)


6月18日にイタリアに帰国。
、、、した途端に、プッチーニフェスティバルから仕事の依頼。20日から2日間、お仕事。
コンサートもしてきました。イタリアの夏の夜の野外でのコンサート。いつも楽しいです。


新しい(しかもややこしい)譜読みの宿題ももらって、23日に我が家へ。
いくつかの伴奏合わせをしながら、5日ほどアンドレアと過ごして、29日に再び、プッチーニフェスティバルへ。宿題の曲がかなり手強く、しかも時間も無いので、電子ピアノ付きで今回はここへ戻ってきました。運ぶのは大変でしたが、色々な意味でたすかってます。音量を落とせば、時間を気にせず練習できますしね。


7月1日からオペラの稽古開始。今年は、2つのバタフライ担当。
スペイン人の若く優秀な指揮者、イタリア人の大御所演出家。初めての歌手、何度かすでにご一緒した歌手。そして、お馴染みの愛するスタッフ達とのコミュニケーションには、笑かしてなんぼ!の関西気質が役に立ちます(笑)
スタッフは勿論、歌手もほとんど全員が、既にこの演目の経験者。稽古の進み方が速い!今日で5日目ですが、助演、コーラス含めて一通り立ちがつきました。来週から、実際の舞台での稽古です。


明日は、ここへ来て初めてのお休みの日。
ミラノは、今日から公式バーゲン開始。どうやらここもそうらしいです。なので明日は、朝にお買い物に行こうかなぁ、、、等と目論んでいます。ヴィアレッジョの海岸沿いに、見てみたいお店があるのですよねー。でも、お天気良さそうだし、速攻で焼けるだろうなぁ。ま、いいか(笑)



舞台での稽古が始まったら、また稽古の様子など写真でお見せできたらと思います。
ということで、今宵はこの辺で。


では、また(^_^)

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