2013年7月24日

Tosca

トスカ



オケ付き舞台稽古が始まったトスカ。プリモの歌手達も揃い、稽古場は俄然面白くなってきました。



今回は、トスカ、カヴァラドッシ、スカルピアと三人ともがイタリア人。当たり前の事なんですが、彼らにとってトスカは母国語でのオペラ。稽古を見ているとその事がよく分かります。会話に、独白に、言葉に音符がついていることに改めて気付く。そして、母国語でされているからオペラが面白い。特にプリモの歌手達の稽古は新しい発見だらけです。歌う事、言葉を伝える事、演技する事のどれもが満たされていて素晴らしい。楽譜を見ながら彼らの演奏を聞いていると、どうしてこの言葉にこの音符がついているのか、その理由が突然分かったりします。


上の写真は、昨日の舞台稽古の一枚です。舞台上は、トスカのノルマ・ファンティーニとスカルピアのガブリエーレ・ヴィヴィアーニです。ちなみにカヴァラドッシは、マルコ・ベルティ。
この三人の組み合わせは、今週末のトスカの初日だけなのですが、本当に多くの方に見ていただきたい舞台です。



昨年もここでトスカの公演がありました。プリモの歌手はトスカはロシア人、カヴァラドッシが韓国人、スカルピアはイタリア人でした。それぞれが素晴らしい声の持ち主で、経験も豊富な歌手達です。本当に素晴らしい声。でも外国人の二人は、相手の言葉の扱いに反応している歌ではなく、覚えた言葉でオペラをしているというのが伝わってきました。それぞれが自分のパートをしたいように歌っている、、、そんな印象だけが残りました。沢山の拍手で終わった舞台でしたが、私にとっては非常に残念な舞台でした。デュエットも、テルツェットも彼らが舞台上でしていたドラマは会話ではなかったから。外国人が母国語でないイタリア語でオペラを、しかもそれをイタリアでする場合の難しさを教えてくれた舞台でした。それを乗り越えるためには、沢山の努力が必要であることも改めて認識できた舞台でした。



これは私がこれからしていくべき仕事に関してですが、では私達日本人が、日本で日本人だけで母国語でない言語のオペラをする時は?そんな事も考えながら稽古に参加しているこの数日です。


オケピットから見える三幕の舞台装置。
ローマのサンタンジェロ城の天使像です。きっと私達の公演も見守ってくれることでしょう。


では、また!(^_^)
良かったらクリックしていってくださいね!  

0 件のコメント:

コメントを投稿