2013年7月2日

Tempesta




一昨日の舞台稽古の時に撮った写真です。(汚い靴も写っていますがお許しを!キュー出しのため、舞台上はやっぱりスニーカーが便利です)これとタイトルの嵐で、何のオペラの稽古かわかる方もいらっしゃいますよね(^_^)

今年はヴェルディの生誕200年、マスカーニの生誕150年なので、フェスティバルでもプッチーニ以外のオペラを取り上ています。


その一つは、ヴェルディのオペラ『リゴレット』。作品の舞台であるマントバの町は昨年大きな地震があり、沢山の歴史的な貴重な建物が破損したり、一部崩壊したりしました。去年、たまたま地震の一ヶ月ほど前に、マントバを訪れました。あの美しい町がと思うと、とても残念です。修復にもまだまだ時間がかかる事と思います。マントバ公爵のお城の横を流れるミンチョウ川は、蓮の花が咲く場所としても有名です。そしてこの川の畔は、リゴレットの第三幕の舞台でもあります。(写真の楽譜に見える MINCIO という言葉が、その川のことです)


そして嵐。
私はこの演目では、嵐の効果音奏者として参加する事になりました。鍵盤楽器を使ってそれらの音を出すため、今日はそのオーケストラ稽古に参加してきました。その写真がこれ。手前に写っているのが、そのパート譜ですがこんな文字があるのがお分かりになりますか?


Cassa interna   舞台上にある大太鼓
Lampi               稲妻
Tuoni                 雷
Pioggia              雨
Campana           鐘(時刻を知らせる教会の鐘の音です)


ヴェルディの時代は、勿論電子楽器などまだ存在しませんでしたので、太鼓や特殊な道具を使って、雨や風、雷等の効果音を出していました。そう言えば歌舞伎がまさしくそうですよね。

今でも、雷の音や風の音のための道具を使って演奏される公演もあります。しかし、如何せんフェスティバルの劇場は野外でしかも広い!舞台上の声を拾うマイクはありませんが、特殊な効果音はどうしてもPAを使ってになります。そこで私達、鍵盤奏者の出番になります。


流石に稲妻は鍵盤では無理ですので、照明で扱われます。しかし、上記の効果音は自分の好き勝手に入れても良いわけではなく、作曲者ヴェルディによって、どこでどれだけの長さその音が必要かが楽譜上に指示されています。

雷、落雷、風雨、教会の鐘の音を音響の方が用意してくださいましたが、鐘はオーケストラの音と馴染まないため却下。音程のないものばかりを扱うことになりました。少し楽器の操作に慣れなければなりませんが非常に楽しいです(笑)


袖幕から見る舞台は、いつもいつも私を喜ばせてくれます。そして、どこの国にいても、劇場の中や舞台の上ではいつも自分が自分でいられます。

(稽古前に、舞台の後ろから客席を写したものです)


明日は、久々にカヴァッレリア  ルスティカーナと外套の稽古です。これからだんだん初日に向けて、みんなの緊張がたかまります。初日は12日。もうすぐです!


では、また!(^_^)



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